ALMA CO observations of a giant molecular cloud in M 33: Evidence for high-mass star formation triggered by cloud–cloud collisions
We report the first evidence for high-mass star formation triggered by collisions of molecular clouds in M 33. Using the Atacama Large Millimeter/submillimeter Array, we spatially resolved filamentary structures of giant molecular cloud 37 in M 33 using 12CO(J = 2–1), 13CO(J = 2–1), and C18O(J = 2–1) line emission at a spatial resolution of ∼2 pc. There are two individual molecular clouds with a systematic velocity difference of ∼6 km s−1. Three continuum sources representing up to ∼10 high-mass stars with spectral types of B0V–O7.5V are embedded within the densest parts of molecular clouds bright in the C18O(J = 2–1) line emission. The two molecular clouds show a complementary spatial distribution with a spatial displacement of ∼6.2 pc, and show a V-shaped structure in the position–velocity diagram. These observational features traced by CO and its isotopes are consistent with those in high-mass star-forming regions created by cloud–cloud collisions in the Galactic and Magellanic Cloud H ii regions. Our new finding in M 33 indicates that cloud–cloud collision is a promising process for triggering high-mass star formation in the Local Group.
Memo
- M33 GMC 37における各輝線の積分強度マップでは、12CO(J=2–1)がリング状構造の拡散放射として検出され、13CO(J=2–1)はそのリング状構造でのみ明るく、C18O(J=2–1)はGMC中心領域に集中している
- 1.3 mm連続波では5σ以上で3つの連続波源(MMS 1–3)が検出され、MMS 2の空間的広がりは他の2つの約2倍であり、またMMS 2と3はHαピークの近傍に位置していてこれらを励起する星が同一である可能性が示唆される
- 12CO(J=2–1)と13CO(J=2–1)のピーク速度マップでは、ミリ波連続波源およびその東側において約10 km s⁻¹の速度ジャンプが見られ、ジャンプの境界では速度分散も3 km s⁻¹を超える大きな値を示す
- スペクトルを見ると、位置A(MMS 1に対応)では系統速度~132 km s⁻¹を中心に12COに翼状プロファイルが見られ、位置B(13CO速度分散最大点)では12COと13COの両方に二重ピークが確認され視線方向に「青方雲」と「赤方雲」の2つの雲が存在することが示唆される一方、位置C(C18O最大強度点)では単一ピークプロファイルを示し、その中心速度は両雲の平均速度におよそ対応している
- 青方雲は北西方向に、赤方雲は南西方向に延びるフィラメント状構造(典型的な幅~3 pc、長さ~10 pc)を持ち、総質量はそれぞれ~2.4×10⁵ M⊙および~1.9×10⁵ M⊙と推定される
- MMS 2は青方・赤方雲双方の最輝点に、MMS 1と3も両雲に重なるように位置しており、また青方雲には小さな穴状構造が見られ、HαピークおよびMMS群はその中心ではなく縁に位置している
- 12CO(J=2–1)の位置–速度図では、青方雲(VLSR~−137 km s⁻¹)が明瞭に検出されるとともにV字状構造が確認され、その頂点が赤方雲の中心速度(VLSR~−132 km s⁻¹)に対応していることから、両雲の運動学的な関係が示唆される
- HSTの高解像度光学画像や24 μm・Hα輝線の光度解析から、M33 GMC 37には約10個の大質量星が存在し、そのスペクトル型はB0V~O7.5Vと推定される
- 恒星風の運動量が雲全体の運動量より約2桁小さいこと、位置–速度図や速度チャンネルマップにも膨張運動の証拠が見られないことから、青方雲と赤方雲の速度差は恒星フィードバック(恒星風・アウトフロー)では説明できないと結論づけられる
- 雲同士の衝突による大質量星形成には超音速の速度差が必要であり、MHD数値シミュレーションによれば数km s⁻¹以上の速度差が~10⁻⁴–10⁻³ M⊙ yr⁻¹の大きな質量降着率をもたらすが、M33 GMC 37で観測された赤方・青方雲の速度差~6 km s⁻¹はこの条件を満たし、銀河系内の雲衝突による大質量星形成領域(M20、RCW 36、M42など)の典型的な速度差とも整合的である
- 雲衝突のシミュレーションと観測から、衝突雲は衝突による減速で2雲をつなぐ中間速度成分(bridging feature)を生じるか、両雲の柱密度が近い場合は合体して平均速度を中心とした単一ピークとして現れるが、M33 GMC 37では位置Cのスペクトルが両雲の平均速度(VLSR~−133.5 km s⁻¹)を中心とした単一ピークを示しており、両雲の柱密度が~4–5×10²² cm⁻²とほぼ等しいことと合わせて、雲衝突シナリオと整合的である
- 位置–速度図に見られるV字状構造は正面衝突型の雲衝突シミュレーションの合成観測と一致しており、M33 GMC 37における青方・赤方雲の正面衝突の有力な証拠となる
- 雲衝突のもう一つの証拠として、衝突雲は互いに相補的な空間分布を示すことが期待されるが、M33 GMC 37では赤方雲を南東方向に~6.2 pcずらすと青方雲の穴状構造に赤方雲の最輝点がはまり込み、相関係数が−0.44(有意水準0.5%)と有意な負の相関(反相関)を示すことから、両雲の相補的空間分布が統計的に確認された
- 雲衝突の衝突角θ=45°を仮定すると、空間変位と速度差から雲は衝突から~1 Myr後と推定され、これはGMCが恒星風やUV輻射によって~1.5 Myr以内に disperseされるという理論と整合的であるほか、大質量星周囲に高密度分子雲が残存しHαでもHII領域が数pc程度と小さいことから、大質量星が形成されて間もないことを示している
- M33 GMC 37の2雲の柱密度(~4–5×10²² cm⁻²)と速度差(~6 km s⁻¹)は、銀河系内の雲衝突による大質量星形成の観測的トレンドと整合的であり、HSTで検出された~10個の大質量星の数も雲衝突から期待される値と一致することから、雲衝突による大質量星形成のメカニズムに銀河系とM33の間で本質的な違いはない可能性が示唆される
- 赤方・青方雲が相対速度6 km s⁻¹以上で接近し~1 Myr前に衝突、圧縮層でMMS 2・3に大質量星を形成した後、赤方雲が青方雲を貫通して穴状構造を作りながら現在の位置へ移動し、その過程でMMS 1にも大質量星が形成されたというシナリオが、相補的空間分布・V字状位置–速度構造・穴状構造のすべてと整合的である