ACA CO(J = 2–1) Mapping of the Nearest Spiral Galaxy M33. I. Initial Results and Identification of Molecular Clouds
We present the results of ALMA-ACA 7 m array observations in 12CO(J = 2–1), 13CO(J = 2–1), and C18O(J = 2–1) line emission toward the molecular-gas disk in the Local Group spiral galaxy M33 at an angular resolution of 7.″31 × 6.″50 (30 × 26 pc). We combined the ACA 7 m array 12CO(J = 2–1) data with the IRAM 30 m data to compensate for emission from diffuse molecular-gas components. The ACA+IRAM combined 12CO(J = 2–1) map clearly depicts the cloud-scale molecular-gas structure over the M33 disk. Based on the ACA+IRAM 12CO(J = 2–1) cube data, we cataloged 848 molecular clouds with a mass range from 103–106 M ⊙. We found that high-mass clouds (≥105 M ⊙) tend to associate with the 8 μm bright sources in the spiral arm region, while low-mass clouds (<105 M ⊙) tend to be apart from such 8 μm bright sources and to exist in the inter-arm region. We compared the cataloged clouds with GMCs observed by the IRAM 30 m telescope at 49 pc resolution (IRAM GMC), and found that a small IRAM GMC is likely to be identified as a single molecular cloud even in ACA+IRAM CO data, while a large IRAM GMC can be resolved into multiple ACA+IRAM clouds. The velocity dispersion of a large IRAM GMC is mainly dominated by the line-of-sight velocity difference between small clouds inside the GMC rather than the internal cloud velocity broadening.
Memo
- PHANGS-ALMAのような大規模サーベイを補完し、銀河内の分子ガスの階層構造や進化過程を解明するためには、従来の観測で主流だった大質量なものだけでなく、より小質量な分子雲に焦点を当てた追加の調査が必要である
- M33銀河は、地球からの距離が約840 kpcと近く傾斜角も緩やかであるため、数pcからkpcスケールに至る分子ガスの階層構造を詳細に調査できる極めて稀なターゲットであり、ACAによる高感度・高解像度観測を通じて、従来の調査では困難だった低質量分子雲を含む包括的な同定と、その進化過程の解明が期待される
- 単独のACAデータにIRAMのデータを統合したことで、M33銀河内の個々の分子雲から淡く広がるガス成分まで、30pcという高い解像度で描き出すことに成功した
- PYCPROPSで同定された分子雲について、高質量な分子雲が主に渦巻腕(アーム)に位置して強い8μm放射(大質量星形成)を伴うのに対し、低質量な分子雲はアーム間領域に散在する傾向がある
- 13COが検出された分子雲の強度比R13/12を調べたところ、M33内では銀河中心距離に関わらず約0.1とほぼ一定であり、この値はM51や近傍銀河での1-0遷移の観測結果とも共通している
- 分子雲カタログにおいて、半径・速度分散・質量・ビリアル質量の統計分布を導出した結果、先行研究より広い質量レンジを確保できた一方、低S/N雲の一部で質量に対しビリアル質量が過大評価される乖離が確認された
- M33の分子雲は銀河系に比べて速度分散が有意に小さい(σv / R^0.5 ~ 0.48)が、これは星形成フィードバックの欠如よりも、銀河系より低い面密度が低いために低乱流でも平衡を維持できるという物理的性質に起因している可能性が高い
- M33の分子雲は全体的にM_vir > M_COの傾向にあるが、高質量雲の多くが重力的に束縛されている(α_vir < 3)一方、低S/N雲は面密度の低さに起因するCO放射の弱さから、見かけ上重力的に非束縛な傾向(α_vir > 3)を示している
- 分子雲の質量分布を質量関数でフィッティングした結果、分布の傾きを示すγは過去の研究と概ね一致したものの、解像度が向上したことで巨大分子雲が複数の小さな雲へと分解されたため、質量分布の重い側がモデルの予測や従来の結果を下回る結果となった
- 巨大分子雲全体の速度分散は、個々の小さな雲の速度分散よりも、内部にある小さな雲同士の相対速度の差によって主に支配されていることが明らかになった
- 質量分布の統計において高質量側に分類される分子雲ほど、8 μm 放射を伴う活発な大質量星形成と強く相関しており、銀河内の星形成活動は重い分子雲に優先的に集中していることが示された
- 分子雲の重さが増すほど重力的に不安定(α が小さい状態)になり、特に10^5 M☉ を超える重い雲では自己重力が支配的になって大質量星形成が誘発されていることが、ビリアルパラメータの解析からも裏付けられた
- M33は渦巻構造が弱い銀河でありながら、星の重力ポテンシャルによって腕領域で分子雲が集積・巨大化し、重力的に束縛されることで大質量星形成に至るという、他の主要な渦巻銀河と同様の進化シナリオが示唆された